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ライバル19 アンヌ・ヴィアゼムスキー


ライバル19  アンヌ・ヴィアゼムスキー_e0122809_12224115.jpg

アンヌ・ヴィアゼムスキーは、昨年、乳がんのため70歳で亡くなりました。
ノーベル文学賞の祖父を持つ亡命ロシア貴族のブルジョワの出自で、ロベール・ブレッソン監督に見初められて「バルタザールどこへ行く」で映画デビューし、次にジャン=リュック・ゴダールに見初められて「中国女」に出演しました。
そのあたりのいきさつは彼女の3冊の自伝小説を読むとそうとう面白く、ブレッソンは加虐性欲的性的倒錯者であり、ゴダールは軽度アスペルガー症候群です、あきらかに。

アンヌは歌手ではないのでギャルのライバルというわけではありませんが、まあ同時代を生きた同世代の女子なわけです。
ゴダールが当初の思惑どおりにフランス・ギャルで「男性・女性」を撮っていたら、アンヌはどう思ったのでしょうね。というのは、アンヌは「男性・女性」を観て、シャンタル・ゴヤが演じたマドレーヌは自分のことにちがいないと感動して(おそろしく身勝手な妄想、でもこれもまた才能)、ゴダールにファンレターをカイエ・デュ・シネマ気付で送りつけたというのが発端だからです。
若い頃のアンヌは19世紀的な風貌のかなりとろくてキモい顔をしていて、女優と言っても演技なしの置き物みたいな存在でした(ブレッソンもゴダールもそこが良かったのだろうけど)。
顔的には女優業をやめて、執筆活動を始めてからの方がいい顔になっています。この顔で映画に出演していたら良かったのにと思います。


ライバル19  アンヌ・ヴィアゼムスキー_e0122809_12383299.jpg


さて、昨年に公開された「グッバイ・ゴダール!」は彼女の自伝的小説『それからの彼女』(原題:Un an après)が原作になっていて、ゴダールとアンヌの映画と政治の日々を描いたものです。
この映画の予告編を観た時に不思議に思ったのは、ゴダール役のルイ・ガレルは徹底的にリアルゴダールに似せているのに比べ、アンヌ役のステイシー・マーティンがどう見てもシャンタル・ゴヤにしか見えず(その方が好みなので断然良いのですが)、これはきっとアザナヴィシウス監督がリアルアンヌのルックスではコメディにならないと判断したからだと思いましたね。リアルゴダールはバスター・キートン並みのコメディキャラですからねー(笑)





その後で、ステイシー・マーティンのインタビュー記事を読むと、アンヌはさまざまなところから持ってきたパーツを貼りつけたヌーヴェルヴァーグ女優のコラージュだということ。
つまりシャンタル・ゴヤをはじめ、アンナ・カリーナ、クロード・ジャド、ジーン・セバーグ、ブリジット・バルドーといった面々ということで、なるほどそういうわけねと納得です。
アンヌ・ヴィアゼムスキーは亡くなる前にこの映画を見て『見事に悲劇の中からコメディを生んでくださいましたね』と言ったそうで、過去の恋愛を振り返るというのはまさにそういうことだよねと同意見です。

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by gall_gall | 2018-10-08 13:39 | ギャルのライバル | Comments(0)